句集「縞馬」:日本のサファリ<平成21年―1>

恒例の家族が集まっての新年会を三日に行う。
胎内に初孫を抱えた娘や、結婚して初めて来宅してくれた新しい家族も加わって賑やかな新年だ。
一月は初句会や新年会でほどほど飲んで恙無く、「日々是好日」だ。

系譜手に御慶を述べる新家族

中吊りの一社独占初電車

床の間に柳の芽吹き繭付けて

江の島の先は火の島春近し

鳶の輪と同じ高さで栄螺喰う

寒凪や相模の海は綺羅の海

<城ケ島の鵜の巣と水仙>

戌の日や子が母となる小春の日

神域のカラスは無口松七日

<銀座MIKIMOTOの新年飾り:折鶴の円舞>

寒凪や魚の檻を示す浮子


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ショーウィンドながめ銀座の日向ぼこ

江の島に峠が二つ野水仙
松飾り外しポンポン船が発つ
雑炊や新しきこと何もせず

寒涛や崖を棲みかの渡りの鵜

吉凶は甲羅の割れ目寒灯下