句集「縞馬」:日本のサファリ<平成18年(2006年)―3>
5月3日は娘の結婚式。五月晴と天気に恵まれたすばらしい式だった。
娘の花嫁衣裳は美しく、掌中の珠が抜けてしまう感じだった。一人娘の結婚に対する父親の感慨は矢張り特別なものかも知れないが、そんな経験ができる幸せをかみしめる。
受ける花婿と連れ添い遂げて心豊かな人生をねがうばかりだ。
式は厳粛な教会式で、披露宴は若者達が企画した愉快で明るい笑いが絶えなかった。
吟行は、横浜金沢植物園、上野動物園、向島百花園、自然教育園(旧白金御料地)など出向いて楽しむ。俳句は歩くに限る。
「波」俳句会の創刊30周年記念式が東京のホテルで行われた。金子兜太さんの講演を始めて聞いたが、面白い。大正8年生まれとはとても思えない。参加者はみんなで元気をもらった。
くるくるとなんじゃもんじゃの花は宙
母の日はヒト科のきまり動物園
新郎の親族の方々とも、末永きお付き合いを願うばかりだ・・。
嫁ぐ子とバージンロード聖五月
喝采とフラワーシャワー五月晴
新郎の腕の太さや薔薇深紅
娘は嫁ぎ式を飾りし百合開く
番台に薔薇を閉店音楽会
かたつむり木歩の句碑に固まりぬ
撫で牛のどこを撫でよか青葉闇
御料地や腹の底から牛蛙
潜望鏡伸ばしきったり蝸牛
小手鞠を揺らし引越し荷物入る
骨董屋まずハンカチで皿ぬぐう
目借時セザンヌ風の瓶ふたつ
青草や区割りの済みし別荘地
黒南風や富士の胎から高圧線
書起こす兜太の話濾過ビ1
ル
黒南風や鴉のとまる頼朝像
走り梅雨輪堂から若夫婦
まわり
<なんじゃもんじゃの花>
ねりんぴっく静岡 村井和一入選