北東北の4日旅(クラブツーリズム)―B

*三日目(2023年9月14日)竜飛岬〜(バス)〜蟹田港〜(陸奥湾フェリー)〜脇野沢港〜(バス)〜牛滝港〜(仏が浦遊覧船)〜佐井港〜(バス)〜大間崎〜(バス)〜恐山〜(バス)〜古牧温泉

 竜飛岬の宿から「まんだ、来てけれ〜」と手を振って見送られ、バスは津軽半島の津軽半島の海沿いに北端を走り、その途中から内陸に入り陸奥湾フェリーの蟹田港へ向かう。今別町の田園風景の中に北海道新幹線の「奥津軽いまべつ駅」が遠望できる。本州最北の新幹線駅だ。ガイドの話だと乗降客は殆ど無く、駐車場に見える20台ほどの車は鉄道関連の人だけとか・・・
 バスごとフェリーに入り、乗客はフェリーの底から客室へ登って行く。10車輌以上が入った様だ。結構な速度で1時間程の船旅、最上階のデッキで秋田テレビ局の撮影が行われていた。下北半島の入口の景色を撮っていたら、「そのままで良いから被写体になってくれ」と頼まれた。放映されたかどうかは知らないが、旅の出会いの面白さだ。
 到着した脇野沢港から再びバスに乗り込み、仏ヶ浦遊覧船に乗船する為に牛滝港へ向かう。この遊覧船は天候が悪い時には欠航する。この日は雨が降り始めてきたが、なんとか出航し上陸もできた。些か心もとない古くて小さな遊覧船だが、無事に仏ヶ浦の小さな桟橋に接岸し上陸した。
 仏ヶ浦の白い巨大な奇岩群は2kmにわたって連なり、海からしか全貌を観る事が出来ない日本の秘境百選とも云われる絶景スポット。極楽浄土を思わせる神秘的な世界が広がっている。風雨と波によって削られた巨石群の圧倒的スケールは圧巻だ。ここへは歩いても行けるそうだが、標高差100mの急斜面を下る、そして、上るので、今は殆どの観光客はこの船を利用している。上陸してしばし仏ヶ浦を歩く。ここは霊場恐山からみて浄土がある方角とされる西側に位置する事から、死者があの世へ旅立つときも、また、この世へ戻って来るときにも立寄る所と云われた。それらの信仰の中心となる小さな地蔵堂が崖裾にある。


   仏ヶ浦にて

    座の下に救命胴衣そぞろ寒    そそり立つ黙の奇岩ら秋の潮    潮上げる仏ヶ浦へ素風かな

 小一時間を仏ヶ浦で過ごし、同じ遊覧船で佐井港へ向かい、そこで再びバスに乗車する。我々が仏ヶ浦観光をしている間に、バスを陸路でこの佐井港へ廻してくれたのだ。遊覧船から海沿いを走るバスを見る事が出来た。
 バスに乗って暫くして、雨が次第に激しくなる。この日の昼食は本州最北端の大間岬での鮪丼。数年前に一本釣りで440kgの鮪を水揚げした漁師の食堂だとか・・・ここでも秋田のテレビ局の撮影と出会った。食堂内には大漁旗や記念写真が壁一杯に所狭しと貼りつけられている。大間岬の突端にはこの鮪のモニュメントがある。
 昼食後は恐山に向かうが、線状降水帯の下に入ったようで雨は更に激しくなった。恐山に到着した時には正に土砂降り。バスを下車して傘をさしながら境内に入ったが、山門から先へ行けないほどの豪雨となってしまった。山門の屋祢下で雨が弱まる事を期待して暫く待ったが、豪雨は治まらない。遂に諦めて引き返す事とした。あの世へ行くのにも大変なの。
 恐山を後にして、古牧温泉に到着する頃には雨は止んでしまった。そして居抜きのホテル(星野リゾート:青森屋)に宿が準備されていた。渋沢栄一の財産管理者が広大な土地をここに買い、温泉を掘りあてて大掛かりな温泉郷にしたと云う。それを丸ごと買い取った星野リゾートが今は運営している。家族連れが多く結構に繁盛している様だ。池に面した大きな露天風呂がこの宿の売りで、ここでゆっくりと疲れをとった。


 恐山では激しい線状降水帯の雨に出遭って、山門より地蔵殿を見るだけだった。

  秋霖や恐山から人が消え    娑婆もどる賽の河原は秋出水    茫と揺れ露天湯面に月昇る

 日本のサファリ」のTOP      back                next             HOME