初御空いつまで続く旅心(年賀状)
地球儀をゆるりと回す年始め
年立つや五分遅れて鳩時計
初明りキリンは立ったまま眠る
婿殿は背筋伸ばして屠蘇を受け
カップ麺刷啜る猫背のラガー達
初暦めくれば渋野日向子かな
浜名湖や機雲の弛む初御空
福笑いおかちめんこであればこそ
句集『縞馬』:日本のサファリ<2020年−1>
令和2年、令和の最初の新年を迎えた。
今年も各地の2家族が浜名湖のホテルに集まり、愉快な時を過ごした。
往復ともに東名、新東名には車の渋滞もなく5時間ほどの運転だった。運転はまだまだ大丈夫。
「波」一月号掲載句
死の谷へドライブ日和冬日和
見晴るかす塩の湖底や遠嶺雪
冬眠や毒蛇毒蜘蛛ゴーストタウン
幌馬車の錆びた車軸や空っ風
冬日こそ土漠礫漠砂漠越え
冬日影砂丘のさまは日々変化
冬嵐ゴーストタウンを砂が撃つ
「波」2月号掲載句
バッテリー毛布包まれ夜を過ごし
親も子もごろ寝や背ナの床暖房
早朝の隣りて歩道の雪掻けり
休校や庭で橇挽く兄妹
朝の陽を散らすがままの霧氷林
朝日射しゆるゆる動く雪の街
氷塊の湖岸険しき波のさま