句集『縞馬』:日本のサファリ<2020年-5>
主な出来事:
・ゴールデンウイークの孫たちの来宅はコロナの為に中止。
・海外旅行は全てキャンセル
・GoToトラベルで佐渡へ、奥湯河原へ、島根へ、そして、浜名湖で孫たちと久々の集まりの予定。
・密を避けてゴルフは相変わらず続ける。
・ネットを通じての俳句会も幾つかあり、波誌の編集も殆どリモートで対応している。
世情:
コロナウィルスの感染者数は第一、第二波を経て、第三波と増加し続け、日本でも病床の確保の重要性が云々され始めた。(11月23日時点) 一方、外出規制などで、経済が回らなくなり、観光業、飲食業等が軒並み大打撃を受けている。世界中が入国規制、移動規制をしている。
イベントも中止、スポーツもしばらく中止の後、無観客試合から少しずつ再開しているが、今年は中止・延期となった来年の東京オリンピックの開催も、今の状況では微妙と思われる。期待は坑ウィルスワクチンの開発が少しずつ見えてきた事だが、どこまで行き渡るか、どの報道も確定していない。
アメリカ大統領選挙は民主党のバイデンの勝ちにも拘わらず、トランプは敗北宣言をしない。行政引き継ぎが滞り、コロナ対策だけでなく、安全保障も危険な状況が起きている。
中国の強気な拡大路線も著しい。海洋進出、香港の一国二制度の事実上の撤廃など、地政学的に益々勢いを付けている。それに対して民主国家群のもたもた感はどうした物だろうか?共産党独裁を効率よく使っての資本主義を邁進する推進力は強いのだ。コロナすらも完全に抑えたと伝えれている。しかし、戦前の特高の様な、厳しい監視下での暮らしは不幸だ。
夏以降の俳句:
大仏の裳裾の襞の梅雨溜り 飛魚とんで地球と同じ青しぶく 焼酎や丸い氷がよく回る
氷菓舐める素性正しきブルドッグ 作務衣僧素麵流しの竹を裂く
雨音を背ナに集めてカタツムリ 閉店の最後に畳む軒すだれ 白南風や大きく曲がる複々線
海の日や浜に立ち入り禁止札 八月の昭和どう描くバンクシー
<東名カントリークラブ↑・野辺山シャトレーゼCC↓>
歌麿の細き筆先涼新た 閉店の歌声喫茶ちちろ鳴く 行合の空へアザーン峡の町
脳内の味噌沸騰の炎暑かな 休業がついに廃業八月尽
秋寒や額を狙う検温銃 新蕎麦や主はすぐに食えという アマビエの在す帳場や走り蕎麦
鰡跳ねるペットボトルの浮かぶ川 サバンナの空を掻き消す蝗かな
風に鳴る乾びきったる鷹の爪 寡黙なり宴のはじめの菊膾 秋澄むや憶良の歌をソプラノで
色違え釣瓶落としや海と空 しずかさや伊根の舟屋の柿すだれ
富士柿の冷たき重さ掌に 宵闇や機灯連なるハブ空港 緩みたる機雲ひとすじ秋の富士
秋思ふとマックの店の異人たち 天高く跳ねるマサイの足に鈴
陽を散らし刈田に遊ぶ雀どち 夕空に罠を光らす女郎蜘蛛 達磨絵に「一念不動」小鳥来る
<横浜バンクシー展> <奥湯河原の不動滝>