「波」誌2023年7月号の作品より
「月涼し」より 神杉の太郎・次郎や夏日燦 山田 貴世
「蛍」より おしめりも程よしまさに蛍の夜 西室 登
「半夏雨」より 師も友も多くは黄泉に半夏雨 管山 宏子
潮集同人より8句
筍をまたまた撫づる妻の留守 鈴木八洲彦
沖縄人の血の色見せて梯梧咲く 由田 欣一
ぬくぬくと足湯憲法記念の日 稲吉 豊
黄砂降りミサイル飛ぶや大八州 石垣みち代
走り梅雨土間に横たふ心張棒 伊藤美也子
風光る友と日中友好碑 石井 眞
桜しべ降る戦争に病める星 鎌田紀三男
鈴蘭の灯る夕べとなりにけり 鈴木朱鷺女

冨山撮影: 大和市 泉の森公園にて
灘集同人より12句
卒園やよく遊んだと表彰状 山田せつ子
裘葛の輪廻は早し桜散る 板坂 歩牛
水鳥のかき混ぜており花の雲 岸 健
菖蒲湯に明日検診の胸抱く 長野 保代
喜雨来たる牧の子牛の睫毛にも 木嶋 玲子
葉桜や雲の重さの老年期 坂本 満子
子供の日声の戻らぬニュータウン 亀倉美知子
天水をたのみの植田潤へり 田原梨絵子
大津絵の瓢箪鯰初夏の淡海 井上美沙子
消えるまで見てはやれないしゃぼん玉 筒井 洋子
三姉妹の話延々柏餅 中嶋 敦
沼の辺の白き光や水芭蕉 志鎌恵美子

霧野萬地郎撮影:フランスはトロワの町の朝(木組の家が多い) ナポレオン街道からの景
波集より12句
夜来雨筍たんと届けある 杉下 赫子
神名備の白こそよけれ山法師 清水 茂代
ジェンダーレス横一列や鯉のぼり 草野すみれ
薫風に真向いペダル踏み込みぬ 加藤 浩子
かつて馬通ひし道や馬酔木咲く 永尾 陽子
飛ぶ影を大きく写し紋白蝶 橋 辰郎
筒抜けの空キャンバスに八重桜 外川 詔子
「海だあ」と遠足児童列くずし 斉藤 華子
母の日や男まさりの妣偲ぶ 佐々木照子
花散りて公園静けさもどりけり 横田 肇子
戦人なだめ治めよ春の星 新関まつり花
遠き日の思い出ふつふつげんげの田 塚越やす子

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