


6日目(6月25日)

少数民族の踊り(左)とテント内での揚げパン作り(右)
ペトロパブロフスク・カムチャッキー港での二日間の停泊では予めオプションを予約していた。この日は、「先住民族&ダーチャ訪問」のプログラムだ。
通船(テンダーボート)でペトロパブロフスク・カムチャッキー港の桟橋へ行き、そこから観光バスで市内を通過して、先住民族のチュクチ族の牧場へ向かう。

2時間程で到着したチュクチ族の牧場。チュクチ族は1400人程がカムチャッカ半島に居ると云われる。その牧場の入口からタンポポが咲く広大な平地を200m程歩けば、彼らの居住地を象徴するテント住居がひとつ置かれた広場がある。
簡単な屋外舞台もあり、家族4人で民族衣装に身を包み、珍しい民族の踊りを披露し、テントの中で伝統の揚げパンと、煎じ草の茶を振る舞ってくれた。また、赤子のオムツに使われた苔や、アザラシやラッコの毛皮を触らせて貰ったり、極北に住む人の知恵が興味深い。
広々とした牧場に馬が数頭のんびりと草を食べている。
この日も終日、曇りと雨で期待していた景色は全く見えなかった。
アザラシを舞う家族らの北の夏 岩苔はオシメ替わりと夏炉の婆
夏や村ハスキー犬は休暇中 三台のスマホを吊るす夏館
泥んこと遊ぶ鵞鳥ら夏別荘 ガイド・アナスタシア鮭の売り場で顔効かす
冬季に橇を曳く多くのハスキー犬が繋がれていた。精悍な貌はリーダーで、甘えた貌はついて行く犬と云う。数グループの犬たちがそれぞれの縄張りがあるようにまとまっている。
幸い居住地にいる時間帯に雨は無かったが、雲が垂れ込めた遠景の山々は見えない。
少年がヒグマの檻へ案内してくれた。3歳と5歳のヒグマがそれぞれの檻に入って、少年の出すビスケットに愛想よくしている。
立ち上がれば2mを越える巨躯も鉄格子の中では何とも惨めだ。聞けば、子供の時から檻に入れられて、観光客の見世物になっているようだ。

この日の昼食はダーチャで頂く。ロシア人の別荘の事で、ここで菜園を造って夏を楽しむ風習がある。以前にモスクワでダーチャをバスの窓越しに見た事があるが、この遠く離れたカムチャッカにもあるのだ。
途中、その都市の名前、ペトロパブロフスク・カムチャッキー由来の聖ペトロ号と聖パブロ号の塔の横を通り、現地ガイドが改めて解説してくれた。
(聖ペトロ号と聖パブロ号の塔)
この辺りはダーチャ村と云った所で、小さなブリキの板が未だ売れていない分譲地を広告している。豊かなロシア人生活の一端には触れることが出来た。
訪ねたダーチャは医者のご夫婦となかなかの美人のお嬢さんのお宅で、小奇麗な花の庭と野菜のビニールハウスを備えていた。
3人で台所に入って準備して、我々を待っていた。鮭のスープから始まって、トマトやジャガイモの素朴な料理でもてなしてくれた。いずれもさっぱりとした塩味で素材の味が生きている。ただ、量がとても多くて残す人が多かった。それと、食堂が狭すぎて、身を縮めての食事には些か閉口した。女性にはトイレも不評だった。
昼食を頂いたダーチャのご家族

ヒグマの檻(左)とハスキー犬(右)
港に帰る頃にはまた冷たい雨が降り出した。
最終の通船に乗るまでの少しの時間で、桟橋から近くのスーパーに行こうとしたら、現地ガイドが「別のスーパーへ行った方が良い」と自分の車で少し離れたスーパーへ案内してくれた。
魚売場では様々な鮭が、生で、燻製で、スジコで並び、中々の壮観だ。手早く買い物を済ませて、また、港に送り返してもらった。ここで、両替した僅かなルーブルを全て消費した。親切な現地ガイド・アスナターシャに感謝する。
スーパーの魚売場、鮭ばかり)