光沢のある貝殻を得るには、生きた貝を採集して中の身を出す。ダイバーたちは海中で直接得るのだろうが、私は引き潮の時のサンゴ礁の浅瀬で採集した。

タンザニアのダルエスサラームである。水面の動きやその反射する日の煌きに眩惑されながら、身に包まれた子安貝を見つけるのは容易ではない。じっと目を凝らして、保護色のような貝の動きを捉えるのだ。見つければ、その身に針状のもので刺激を与える。すると、急いで貝殻の中に入り込み、光沢のある貝殻が海中に露出する。ピカピカと光に反射する貝が現れる瞬間は貝の収集の最も充実する時であった。

サンゴ礁で収集した、まだ生きている、それらの貝を殺す。石油をいれたガラスの小瓶に貝を吊るすように浸して、窒息させる。実に残忍である。一週間くらい漬けておけば、中身は死んで腐り、その身を包んでいた貝殻の隙間から溶けて出る。貝殻の光沢は寸分も失わない。それらを石油から引き上げ、ホースで水圧をかけて貝殻から腐った中身をはじき出すのだ。臭い!

こうして、出来上がった貝殻を暗い所で保存しておく。
もっとも、実際にそのようにして手にした貝殻は10種類くらいで、それ以外は各地の貝の店から買った、、。

<子安貝あれこれ>−3/5

上は表面に凹凸のある子安貝。筋や粒が貝殻の表面を被っている:左より@−F
@ADEは純子安貝で、BCFはその親戚。@は深海の珍種らしい

No 学名 和名 通称 分布
@ Capensis ケープ宝 南アフリカ
A Childreni 縮緬宝 Children's インド・太平洋
B Trivia pedicula アメリカ比丘尼白玉 Coffee Bean 南アメリカ
C Trivirostra edgari 忘れ白玉 インド・太平洋
D Limacina 絞り宝 Limacina インド・太平洋
E Cicercula 千鳥宝 Chick-pea インド・西太平洋
F Jenneria きのこダマ Jenner's 東太平洋

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