句集「縞馬」:日本のサファリ<平成13年(2001年)以前−4/4

銀杏散る黄に触れ廻る一輪車

神域を突き抜け公孫樹の黄が空へ

つり銭を渡すその手で鱶を裂く

伊豆の尾根走り初冬の富士を観に

草の実を求め小鳥の低い空

青空や揺れる紅葉のその先に

貨車長くまだ抜けきれず里の霧

愛媛新聞のあるコーヒーテーブル枯れの色

汽笛一声新橋の汽車電飾の十二月

混ぜ合いの暮らしの音や十二月

平らかに聖菓を抱え父帰へる

のし餅を斬るころあいの柔らかさ

藤沢・遊行寺

京都・寂常光院

新橋駅前


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