句集「縞馬」:日本のサファリ<平成13年(2001年)以前−2/4

花を見て花影を踏む石畳

ひとひらの花ひとひらの軽さかな

垂直に春の曙光が海原に

一村が鏡の中に田水張る

ゆっくりと初夏の夜風が川に沿う

蛇味線のゆっくり流れ梅雨明ける

海風に水煙となる崖の滝

五月雨やアジアへ向かう貨物船

触れたれば薄刃鋭し青すすき

夏富士の裾とどまらず海に入る

万緑へ登山鉄道つづら折り

京都西山・勝持寺(花の寺)の桜

三陸海岸・普代村黒崎の朝日

沖縄・梅雨の久米島

廃業の旅館呑み込み蔦茂る


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