第2日目 : 6月25日 (フランクフルト→リューデスハイム→ライン下り→ケルン→ベルリン)

ザンクト・ゴアハウゼンで下船し、同じバスで140キロ程の道をケルンへ向かう。途中からは雨が降り始めて視界が遮られる。ケルン到着時には可なりの本降りになり、石畳を滑らない様に歩く。
 
 ここの観光は世界遺産のケルン大聖堂だ。157mの塔を有するゴシック建築で入口前の広場から見上げるも、雨でままならない。広場のローマ人や中世の騎士たちのパントマイムは雨で流れ、観光客と一緒に写真を撮る方にスイッチしている。聖堂内部の身廊は広くて高いが、雨宿りも兼ねてか、多くの観光客が入ってかなり混雑している。信者達の祈りへの気持ちが切られるのではと、あらぬ心配をしながら、短い時間で内部を簡単に一周する。

短い見学を終えて、ケルンから鉄道でベルリンへ向かう。超特急ICEで、車窓から雨の景観を眺めながら約5時間の結構な長旅だった。

 地下ホームの着いたベルリン中央駅はガラス張りの近代的な建物で、様々な店やレストランも並んでいる。2006年のワールドカップ・ドイツ大会に合わせて、冷戦下には分散していた複数の駅をここに統合したらしい。先着したバスで、ホテルの部屋には我々の旅行カバンが既に届けられていた。

<朝のツグミ横丁>               <ライン川下りの観光船>

<ケルン大聖堂内の一隅で>

朝涼のワイン横丁倭人のみ      鹿の子のいささかひるむローレライ    


   古城囲む葡萄畑の青斜面       ビア樽と撮りし記憶の船遊び

ツアーの良い点は、朝の荷物の回収だ。指定時間に部屋の外へ出せば、それだけで、次の宿泊地まで手ぶらで歩ける。個人旅行は全て自分で扱うので、運ぶ労力と途中の紛失・盗難などへ注意が求められる。

時差のために、朝の寝起きは良い。朝食前、昨晩のバーテンが教えてくれた、近くの公園を散歩する。名も知らぬ公園だが、古風な館の裏に運河があって、その先に人気の無い緑あふれる公園が広がっている。鳥たちの鳴き声を聞きながら拘束のない時間を楽しむ。

この日は、先ず、バスでリューデスハイムへ向かい、早朝の「つぐみ横丁」を散歩する。どの店も閉まっている。ここは個人で夕暮れ時に来る所だが、狭い一本の路地はワイン酒場が軒を連ね、壁に葡萄の蔓を走らせて、いかにもワインの産地と感じる。

リューデスハイムから乗船してラインの川下りが始まる。始発の船で甲板の一番前に陣取ることが出来た。2時間弱の船旅だが、川岸には小さな街があり、なだらかな両岸の山には青々としたワイン葡萄畑が貼りつき、そんな畑の中に中世の古城や館が現れる。川の中州にもかつての通行税徴収のための建物があり、観る者を飽きさせない。曇天のために絶景とは言えないが、34年前に家族で訪問した城なども見つけ、懐かしい気分だ。ここは白ワインの産地で、船中で試飲販売が日本人ツアー客相手に行われていた。試飲している間に、急にあの唄が流れて、ローレライはあっという間に通過した。ライン川は観光船以外にも、さまざまな船が運航され、両岸には鉄道と道路も走る。古くからの交通の要衝だったのだろう。

聖堂を見上げる顔へ夏の雨   


聖堂の祈りの外はみな驟雨  


ベルリンへマッチョな車掌の目の涼し

<ベルリン中央駅>


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<1977年の訪問時も撮った通行税徴収のためのプファルツ城>